下記のようにエフェクターが欲しい理由はたくさんあると思います。
ただ、数あるエフェクターの中で、どれからそろえていいか、悩みますよね。。
実はエフェクターを買う順番は、その人の目的によって異なります。
本記事では目的別にエフェクターの買う順番のおすすめを紹介します。
エフェクターの音色の種類
まずはエフェクターの種類を押さえておきましょう。
エフェクターの音色の種類は大きく分けて4つ分けられます。
歪み系
ジャーンという音やザクザクした音、いわゆるロックな音がするペダルです。
音量調整でも使われるため、どんなジャンルでも、所有率が一番高い基本のエフェクター。
その中でも代表して下記のような種類に分けられます。
基本の歪み。
ロック〜ポップスまで幅広いジャンルで使用される。
基本的にCDで聞こえてくるロックっぽい音はこのエフェクト。
ボードを組んでいる人でオーバードライブが入っていない人はまずいないと言ってもよい。
オーバードライブよりも深い歪み。
メタル、ハードロック、ハードコアなどに使用される。
ただし、オーバードライブとの線引きはあいまいで、メーカーが独自に決めることが多い。
ブリッジミュートでパワーコードをザクザク刻む場合、ディストーションを使うことで雰囲気が出る。
歪みの中でも独特で、唸るようなブチブチするサウンドが特徴的。
クラシカルなロックやオルタナティブなロックで使われる。
こちらもディストーションとの線引きはあいまい。
実は、オーバードライブやディストーションよりも古い時代に登場したので、歪みペダルとしては古参。
空間系
音に広がりを与えてくれるペダル。
サウンドに立体感を与えてバンドサウンドになじませる効果もあります。
原音から大幅に遅らせる音を付加することでやまびこ効果を得ることができるペダル。
遅らせる時間を短くし、歪みペダルを合わせることでサスティーンの効いた爽快感のあるサウンドを得ることができる。
他にも付点8分の設定にすることで、華やかでリズミカルなフレーズを作ることができる。
トンネルで音を発した時のような残響音を付加することができるペダル。
ホールや教会のような音環境に近いサウンドを楽しめる。
アンプに搭載されていることが多い。
昔はスプリングを利用したアナログなリバーブだったが、近年ではデジタル化し、より正確で細かい音環境を構築することが可能になった。
モジュレーション系
位相や強弱により音に揺らぎを与えるエフェクト。
さまざまな種類のエフェクトがあり、幻想的な音色を奏でることが可能です。
インプットした音とものすごく小さく遅らせた音を混ぜることで澄んだような音色を作ることができるペダル。
クリーンのアルペジオなどで使われることが多い。
深くかけすぎると不協和音のような音になってしまうので要注意。
位相のズレを利用してシュワシュワという効果をもたらすペダル。
クリーンのアルペジオやカッティングにかけて使うと綺麗な効果が得られる。
逆に、ドライブサウンドに使用すると、シュワシュワ感が強調され、派手な効果を得ることができる。
原音と原音をわずかに遅延、変調させた音をミックスさせたサウンド。
ジュワーというジェットサウンドを得られる。
特に歪んだギターリフと合わせて使うと、うなり効果が分かりやすくなり、派手な音色になる。
音の強弱を周期的に付加することでモジュレーション効果を得られるエフェクト。
古くから存在するエフェクターで、リズミカルにエフェクトを設定することでマシンガンのようなサウンドを作ることもできる。
単音よりコードストロークや、アルペジオで使用することが多い。
フィルター系
音の周波数帯域をコントロールするエフェクト。
周波数で音色を変えたり、ノイズを制御することができます。
下記は代表的なエフェクトです。
VOX ヴォックス ワウ・ペダル V847
演奏中に足で操作して、音色変化を可変的に作るペダル。
ロックなギターリフやソロ、カッティングに合わせたファンキーな音楽に使われる。
足元で可変的に操作するので、他のエフェクトで代用することは難しい。
弾いてない時に発する一定音域のノイズをカットすることができるペダル。
マルチとコンパクトエフェクターの違い
よくマルチエフェクターとコンパクトエフェクターという言葉を耳にすると思います。
それぞれの違いについて解説します。
音色の種類数が異なる
コンパクトエフェクターの音色の種類は、ほとんどの場合1種類しか持ちません。
対してマルチエフェクターは複数種類の音色を持ちます。
コンパクトエフェクター…例えば、空間系のペダルの場合、リバーブ専用の音色で1台。
マルチエフェクター…歪みの音色や空間系の音色、モジュレーション系の音色を1台に搭載されている。
そのため、コンパクトエフェクターは複数台を組み合わせてエフェクターボードを構成することが多いです。
操作性の違い
コンパクトエフェクターは、スイッチを入れ、つまみを調節し、直感的に音色を調整することができます。
マルチエフェクターは、スイッチを入れた後、音色の種類を選択、音色の調整を液晶画面の中で行うことが多いです。
そのため、マルチエフェクターはコンパクトエフェクターに比べて、複雑な操作が求められます。
あらかじめ設定済みの場合は、音色を呼び出すだけでよいです。
しかし、現場で調整しながらサウンドを作り上げる場合、コンパクトエフェクターの方が、扱いやすいでしょう。
価値の変動があるか
コンパクトエフェクターは、内部構造がアナログ回路で作られているものも多いです。
そのため、壊れにくく、改造もしやすく、中古市場で値段が落ちることもあまりありません。
かたやマルチエフェクターは完全デジタル回路となります。
デジタル回路のマルチエフェクターは、アナログに比べ、壊れやすく、修理改造が困難です。
そして、年々技術の進歩により、音の完成度が上がってきているため、型落ち機種の人気はありません。
時代が変わるにつれて価値観に差が出ることもコンパクトとマルチの特徴の違いです。
大きさ重さが異なる
音色の種類の違いにより、どうしてもコンパクトは小さく軽量、マルチは大きく重くなってしまいます。
ただし、演奏で使う音色が多くなればなるほど、コンパクトエフェクターも多くそろえる必要があります。
その場合、トータルしてマルチエフェクターよりもコンパクト複数台の方が重くなることがあります。
取り回しやすさ、求められる音の違いを考慮すると、場面ごとにコンパクトとマルチの両方を使い分けてもいいかもしれません。
ヘッドホンで出力できるか
マルチエフェクターの中には、直接ヘッドホンに接続できる機種が存在します。
自宅で音出しできない場合は、ヘッドホンでの練習がメインになると思います。
エフェクトも使用でき、ヘッドホン出力できるものがあれば、接続の手間を少なくすることができるため、地味に重宝される機能になります。
ちなみに、コンパクトエフェクターはヘッドホン出力ができるものはほとんどありません。
目的別買うおすすめの順番
実際に、目的別にエフェクターの買う順番のおすすめを見ていきましょう。
自分の目的と合わせてみていただければ幸いです。
将来エフェクターを複数個使いたい
将来、コンパクトエフェクターを並べてボードを作りたい人、異なるメーカーの機材を並べて独自の音を作りたい人向けです。
①歪み系ペダル
将来コンパクトエフェクターを並べるならほぼ必須と言っていい歪みペダルをそろえましょう。
歪みは、音のキャラクターを変える他、ソロ時のブースターの役割、周波数の調整など用途は多岐に渡ります。
そのため、どれだけ多くあっても困りません。
▽将来的にも使える定番歪みペダル
②空間系ペダル
歪みペダルの次は空間系です。
空間系は、音に広がりを与える性質上、どんなジャンルでも使用できるペダルになります。
そのため、空間系、特にリバーブはほとんどの場合必要と言っても過言ではありません。
▽幅広いリバーブモードを搭載、それでいて直感的に操作できるのが魅力なペダル。
もしもアンプに付いているリバーブでOKなら、ディレイを買いましょう。
③モジュレーション系ペダル
次いでモジュレーション系です。
歪み、空間のあとはこのペダルをそろえれば、あらかたのジャンルは網羅できます。
モジュレーションの中でも個人的に利用頻度が高いのはコーラス、フェイザーでしょうか。
▽定番のコーラス。これさえあればコーラスはOK
▽ワンノブだけどフェイザーと言ったらこれ。スリムで扱いやすいです。
自分の好きなジャンルの曲を聴いて、どんなエフェクターがよく使われているか確認してみましょう。
エフェクターがどんなものか知りたい
どんな音色を出せるかわからないのでとりあえず、知識をつけたい人向けです。
①マルチエフェクター
音色を勉強したい場合はマルチエフェクター一択でしょう。
これ1台でほとんどの音色を網羅でき、最初に手にするものとしてベストな選択のうちの一つです。
今は安くても実践で使える品質のマルチエフェクターがあるのでお試しで買ってもいいと思います。
▽安価でなかなかクオリティーの高いマルチエフェクター。
②歪み系ペダル
マルチエフェクターを手に入れたら、次は歪みペダル一択でしょう。
マルチエフェクターはデジタル回路のため、歪みの再現性で好みが別れます。
歪みは絶対アナログ!というステレオタイプの考えではありませんが、やはりキャラクターは異なります。
アナログの歪みペダルも持っておいて損はありません。
▽ディストーションまでカバーできるペダル。汎用性高いです!
③空間系ペダル
マルチエフェクターの空間系エフェクトで満足であれば必要ありません。
しかし、空間系の中でもマルチエフェクターにはない独自のエフェクトも存在します。
好みのジャンルによってはその独自の音色をメインで使用することもあるかと思います。
マルチエフェクターで満足せず広い視野でエフェクターを見てはいかがでしょうか。
▽toneprintと呼ばれるスマホアプリ連携を使えば無限大に音色の調整ができます。
マルチ所持、コンパクトに興味あり
マルチエフェクターはすでにお持ちで、コンパクトエフェクターに興味がある方におすすめの購入順です。
①歪みペダル
まずは歪みペダルを使ってみましょう。
前述した通り、マルチとコンパクトの歪みは質が異なります。
マルチの歪みが良ければコンパクトを買う必要はありません。
ただ、マルチエフェクターの歪みは、何かのペダルをモデルにして作成していることが多いです。
そのため、本家のペダルを試奏してみて違いを確かめるのも勉強になります。
▽マルチの歪みのモデルにもされているペダル。アナログならではのピッキングニュアンスのコントロール感が気持ちいい。
②マルチを使って好きになったエフェクト
マルチエフェクターは、エフェクト種類が豊富なため、ほとんどのジャンルに対応できます。
そのため、次のコンパクトエフェクターは好きなエフェクトを深く掘るのが良いのではないでしょうか。
エフェクトによっては、マルチで出せない音がコンパクトにはあるかもしれません。
いろいろ弾いて試してみましょう。
▽変わり種として。メロトロンの音を再現できるペダルもあります。
バンドでやる曲で必要な音色が複数
バンドでやる曲は決まったけど、自分の持っていない音色がいくつもある方におすすめの購入順です。
①マルチエフェクター
今後どんなバンドの曲でも網羅できるのため、マルチエフェクターはおすすめです。
おそらくエフェクターへのこだわりの前にとりあえずいろいろな音を出したいという思いが強いと思います。
自宅での練習も考慮に入れて、ヘッドホンを繋げられるモデルを選んでみてはいかがでしょうか?
▽108種類ものエフェクトを搭載したマルチエフェクター。BOSS製品の安心できる製品です。
②やる曲で一番よく使われるペダル
マルチエフェクターを手に入れたら次は、やる曲で一番よく使われるペダルを選ぶと良いでしょう。
一般的に一番使われるペダルは歪み系です。
一度、マルチエフェクターとコンパクトエフェクターを引き比べてみればどちらの特徴も気づけると思います。
よりイメージに近い音色に近づけるようにエフェクターを拡張していきましょう。
▽粘り強く素直なオーバードライブサウンドを楽しめます。メインの歪みとしておすすめです。
アンプ直が好きだけど、音に味付けをしたい
エフェクターはあまり好きじゃないけど、音に腰を与えたり、音自体を大きくしたい方向けです。
①歪みペダル(ブースター)
歪みペダルの中でも、ブースターや繋いだだけで音が変わる歪み系ペダルを選ぶと良いでしょう。
さらにコンパクトでギターケースにしまえる大きさのものならなお◎
例えば、繋ぐだけで音が太くなるで有名なXOTICのEP Boosterなんかがおすすめ。
他にはTS系というジャンルまで確立させるほどの地位を獲得したチューブスクリーマー。
こちらはソロ時の音量アップや音を厚くするために使用される方が多いです。
私のエフェクター購入遍歴
ここまでツラツラと目的別にエフェクターを買うおすすめ順を紹介してきましたが、お前はどうだったんだい!(なかやまきんに君風)
というわけで、ギターを始めたての頃の私のエフェクター遍歴をちょこっとだけ紹介します。
エフェクター遍歴
①Maxson UE-300(アナログのマルチエフェクター)
チューブスクリーマー(歪み)、コーラス、コンプレッサーが合体したエフェクターです。
今考えるとロックではなく、ジャズやファンク向きなエフェクターですね。
↓
②zoom G1(マルチエフェクター)
当時、マルチエフェクターの中で破格だったエフェクターです。
ライブなどでは使いませんでしたが数多くの音色の種類があり、とても勉強になりました。
エフェクターの教材としては優秀な逸品です。
↓
③Proco RAT(歪み系コンパクトエフェクター)
初めて買ったコンパクトエフェクターです。
1番目のMaxsonのエフェクターでは出せない深い歪みが欲しくて購入しました。
結果、イメージの歪みの荒さとは異なり、失敗しましたが、今となってはいい思い出です。
(ブースターとして使えばよかった、、)
そのあとはコーラスやディレイなどを購入しています。
どんな経緯で所持したか
高校生の頃、エレキギターを初めて半年くらいでバンドを組みました。
そんな時に友達から「Maxsonのマルチエフェクターあるけど使う?」と言われ、お言葉に甘えて借りて使っていました。
その後、自分のエフェクターが欲しくなり、マルチエフェクターを買いました。
なぜ歪みペダルを買わなかったんだ?
アンプの歪みで満足していたからだよ
マルチエフェクターでエフェクトの勉強をして、あらかたどんな種類のエフェクターがあるのか理解できました。
Proco RATは、バンドで曲をコピーしていく過程で、深い歪みが必要になった経緯により購入。
今思うとなかなか王道な所持順番だったかなあと思います笑。
最後に
エフェクターの買う順番についての記事はよく見かけますが、重要なのはその人の目的だと思っています。
- どんな理由でエフェクターを購入したいか
- 今後足元周りをどうしていきたいか
この2点で購入順番は変わってくると思います。
ただし、買う順番に正解はないので、もしもあまり使えないものを買ったとしても売って新しいものを探しましょう。
エフェクターは意外と中古も需要があるのでそれほど大きく失敗することはありません。
ガンガン、エフェクターを持って自分のイメージ通りのサウンドを見つけていきましょう!
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