どうもリョウスケです。
音楽のジャムセッションとは、楽譜や音源通りのアレンジで演奏せずに、即興で音を合わせることを言います。
楽器を演奏をしている人にとって、一度はジャムセッションに憧れを抱くと思います。
でもいざやろうと思っても、楽譜がないので、何からやればいいか正直わからない。
自分もそうでした。
ミュージシャンたちが「今度ジャムろうぜ!」と言っている場面に憧れていましたが、やり方がわからない。。
しかし、セッションサークルの門を叩いてからは、やり方を学び、実践できるようになりました。
本記事では、経験のない人同士でも、ジャムセッションができるやり方を解説します。
これであなたも「今度ジャムろうぜ!」とかっこよく言えるようになりますよ!
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ルールを決めないとジャムセッションはできない!
自由に即興で、と言っても、ある程度大枠のルールは必要です。
ただし、今から紹介するルールは万国共通(!?)です。
そのため、これさえ覚えておけばどこへ行っても通用するので、慌てることはなくなるでしょう。
そんなに込み入った話ではないので、簡単に覚えることができるはずです。
事前にコード進行を決める方法
私がよく行くセッションサークルで採用されている方式です。
事前にコード進行が決まっていれば音を見失うことなく、難なく合奏をすることができます。
(大きなホワイトボードなどにコード進行を書くと演奏中も確認しやすいです)
そしてソロができる人は、コード進行内に合ったソロを弾きます。
一見、コード進行が延々と変わらないので、「曲の雰囲気は一定になってしまうのでは?」と思うかもしれません。
しかし、ドラムが曲のリズムを変えたり、音の強弱をつけることで、雰囲気が劇的に変化します。
試しに下記のコード進行を鳴らしてみましょう。
循環コードと呼ばれるコードの並びなので、コード進行をループさせても違和感なく演奏が楽しめます。
また、下記でコード進行をランダムで生成してくれるWEBアプリを作成したのでご活用いただければ!
ブルースの進行に沿う方法
ブルースには決められた進行が存在します。
この進行を使ってセッションするパターンになります。
ブルースの進行は、1コーラスが12小節という決まりがあります。
そしてその中でも、どの小節にどんなコードが来るかもあらかた決まっています。
EEEE | AAAA | EEEE | EEEE |
AAAA | AAAA | EEEE | EEEE |
BBBB | AAAA | EEEE | EEEE |
上記表は、セル一つを1小節として、コード名一つ一つを4拍子としています。
これをシャッフルで弾くと、あら不思議!ブルースになります。
この12小節を1コーラスとして、ソロの担当を回していくという流れになります。
この進行は全世界共通なので、どこへ行っても通用するので、覚えておいて損はありません。
またバッキングパターンもいくつか定石フレーズがあるので演奏できるようになるとセッションの質自体も上がっていきます。
▽バッキングパターンを紹介している動画もyou tubeにたくさんあります
ジャズの方式に沿う方法
ジャズの方式は、他の方式とは違い、明確な型が存在します。
ざっくりジャズの進行は下記のようになります。
イントロ
基本的にピアノやギターが4小節または8小節のイントロを弾きます。
完全オリジナルの即興で演奏する場合は、あらかじめどんな長さで、どんなイントロを演奏するか他メンバーに伝えておきましょう。
最初は、既存曲のイントロやテーマの最後の8小節を使用するでも問題ありません。
前テーマ
テーマとはその曲の”顔”となる部分のことです。
大抵は管楽器がテーマを担います。
管楽器がいなければピアノやギターでもよいですし、管楽器とユニゾン(同じメロディーを弾く)してもいいです。
テーマの中身についてですが、ぶっちゃけなんでもよいですが、最初のうちは、既存曲のメロディーを拝借してもいいと思います。
▽ディズニーの「いつか王子様が」をテーマとして扱っています。
短ければ2コーラス、長ければ1コーラスというように長さを決めておきましょう。
上記動画の場合は2コーラスを弾いていますね。
▽ジャズセッションでしばし登場するスタンダード曲のメロディー譜やコードが載っている本もあるので参考にしてみては?
各楽器のソロ
テーマを終えたら各楽器見せ場となるソロを演奏します。
基本的にソロを執る順番は自由良いです。
それでもテーマを演奏していた人がソロを最初にやると、自然とソロセクションに移行できると思います。
ちなみにドラムは特殊なので最後に回しましょう(後述します)。
その他はあらかじめ決めておいてもいいですし、その場のノリで決めてもいいです。
長さは、テーマの小節数にもよると思いますが、基本は32小節前後が多いようです。
短すぎず、飽きるほど長くない長さがちょうどよいですね!
ドラムバース
ソロの中でドラムだけはバースという方式をとることが多いです。
バースは下記のようにドラムを中心としてソロの掛け合いをすることです。
「管楽器(4小節)」⇒「ドラム(4小節)」⇒「ピアノ(4小節)」⇒「ドラム(4小節)」⇒「ギター(4小節)」⇒「ドラム(4小節)」…
この場合、各楽器4小節ずつのため、フォーバースと言われています。
(8小節の場合はエイトバース)
▽バースの例です。
後テーマ
ソロが残念なことになっても、またテーマに戻り最後は締まりますので、安心してください。
前半にやったものと同じテーマを演奏します。
ただし、必ずしも前テーマと同じパートの人がテーマを担わなければいけないことはないので、あらかじめ後テーマを担う人を決めておきましょう。
前テーマと違うパートの人が後テーマを担うとセッション全体として変化が出て楽しいかもしれません。
エンディング
後テーマが終わり、いよいよセッションを完結させるエンディングに移ります。
簡単に終わらせる方法としては、後テーマの最後の4小節を3回繰り返して終えることや、テーマをリット(だんだん遅くする)で終わらせる方法が簡単かもしれません。
慣れるまでは上記の方法でやってみて、慣れてきたら既存CDのエンディング方法を真似てみてもいいかもしれません。
終わりよければすべてよし。
最後は集中してビシッと決めましょう!
例外的に、フレーズを決めて広げていく方法もあるが…
ギターやピアノなどが事前にフレーズを決めて、演奏を始めていく方法もあります。
ただし、演奏中に展開を決めたり、キメを入れる工夫をしないと単調になってしまう場合があります。
しかし、演奏中に出てきたアイディアを体現するわけですから、他メンバーに共有することが難しいです。
セッション慣れをしている人同士だと、そこからアイディアをぶつけ合っていき、面白い展開に発展させることができます。
ただし、初心者の場合は、最初は難しいので、フレーズを決めて演奏するという方法はあまりおすすめしません。
慣れてきたら、遊びで挑戦する程度に考えておきましょう。
進行役を決める
最初のうちは、進行役を明確に決めておきましょう。
(できれば進行役はセッション経験者や、演奏経験の長い方にやってもらいましょう)
進行役を決めることで、セッションの統制がとれるようになります。
下記は具体的に、進行役が担う役割です。
- セッションのルールを定める(意見をまとめる)
- コードやフレーズを考える(他の人に考えてもらってもOK)
- 始まり方、誰から始めるかを決める
- ソロの担当を合図する
- 終わりを先導する
仕事は多いように見えますが、アイディアをまとめて、進行の決断することが主になります。
進行役の人がいないとグダグダになってしまい、演奏がはじめられなかったり、演奏中も迷ってしまうことになってしまいます。
全員が初心者の場合、進行役は変わりばんこで交代するのも、良い経験になるでしょう。
ただし、上手くいかなくても責めないで、和やかな雰囲気で演奏しましょう。
気持ちはすぐに音に表れるのでリラックスして和気あいあいとやりましょう。
始まりと終わり方を前もって決めておく
物事は始め方と終わり方をあらかじめ決めておかないと、うまくいきません。
それはセッションも例外ではありません。
始め方
- 進行役が「ドラムから始めましょう」や「ギターのあなたから始めてください」などと指示を出す
- 指示を受けた人はちょっとしたフレーズやビートを即興で奏でる
- そこに他の人はキリの良い小節数で入っていく
上記方式が一般的な始まり方です。
最初に即興する人は、緊張すると思いますが、どんなフレーズでも構いません。
決して「良いフレーズを演奏しなければ」と考え込まないでください。
考えている間にスタジオの時間終了のライトが点灯します。
最初は一般的なフレーズで構いません。
(既存曲から引っ張ってくるでもOK)
良いフレーズを考えたいなら、セッションが始まってから演奏しながら考えればいいのです。
最初は安全にセッションをスタートすることだけを考えましょう!
終わり方
これも大体は進行役が指示を出します。
指示の出し方は様々ですが、一般的に簡単な終わり方は
「進行役が演奏を段々ゆっくりにする(リット)」です。
そのため、その他メンバーは、進行役の音を良く聞いておく必要があります。
また進行役もその時は大きな音でわかりやすくはっきりと演奏しましょう。
最初はあからさまになると思いますが、ジャムセッションに慣れてきたら自然とできるようになると思います。
慣れてきたら、進行役は、終わらせたい1ループ前に目で合図を送って、徐々に演奏スピードを落としていくようにしましょう。
そうすれば、その他メンバーも焦らずに追従してスピードを落とすことができると思います。
ソロセクションの長さはルールによる
いざソロの担当が回ってきた時、どのくらいの長さでソロを奏でればいいのでしょうか。
それは、セッションのルール(ブルースやジャズ、コード進行)によって決まってきます。
例えば、ブルースの場合は、先に記載した通り、12小節で1コーラスとなるので、その区切りで長さを考えます。
(12小節、24小節、36小節、、などの区切り)
事前に終わる長さを決めておくでもいいですし、ソロの最中でもっと長く弾きたい場合はもう1コーラス演奏するでも構いません。
ただし、大事なのは、終わるタイミングをその他メンバーにも伝えることが重要です。
合図の方法はなんでも良いですが、終わる4小節前あたりで手を挙げる、目配せをする…等々が一般的でしょうか。
要は伝えられればなんでも大丈夫です。
最初は難しいかもしれませんが、何度も失敗してコツを掴んでいきましょう。
やってはいけないこと
「やってはいけない」と強く書きましたが、あまりやってほしくないことをまとめます。
複数人で協力してセッションをしていく訳なので、ある程度のマナーは必要です。
ソロでないバッキング時も音量を大きくする
セッションの主役はソロを担当している人です。
その他バッキング演奏は裏方の役目なので、ソロの人より目立たないようにしましょう。
そのためにも、音量調整は重要になっていきます。
いくら白玉コードしか弾かない場合であっても音量が大きいと目立ってしまい、ソロの邪魔になってしまいます。
エレキの場合は、手元のヴォリュームつまみを下げるか、エフェクターで調整。
ドラムなどの生楽器の場合は、適度に力を抜くなどしてバンド全体のバランスを考えましょう。
ソロを長くやりすぎる
調子が良いとソロを「もっと、もっと」と演奏したくなります。
常識の範囲内の長さであれば、良いのですが、永遠とソロが終わらないとなると、メンバーから「まだ終わらないのかよ」と思われてしまいます。
曲のテンポや楽器数などにもよるので一概に言えませんが、5コーラス以上は長いと思います。
まだまだやりたい気持ちをグッと抑えて、バンド全体のバランスを考えて配慮しましょう。
適度にソロを終えればまた次のソロが回ってくるのも早くなりますよ。
チューニングが狂ったまま演奏し続ける
たまにチューニングが狂ったまま演奏している方をお見かけします。
チューニングが狂ったまま演奏すると、不協和音のオンパレードになり、セッションも気持ちの良いものになりません。
これは演奏技術うんぬんの話ではないので、しっかりとチューニングをした上で演奏するようにしましょう。
もしも演奏途中にチューニングが狂っていると気付いた場合は、合奏から一時離脱してチューニングを行いましょう。
本人が気づかない場合は周りの人がこっそり教えてあげましょう。
▽演奏途中でもシールドの抜き差しをしないでチューニングできるチューナーもあるので活用しましょう!
音を外して責めたり、怒る
セッションは即興で音を紡いでいく行為になります。
そのため、音を外すことは往々にしてあります。
特にセッション初心者は慣れていない分、緊張などもすると思うので、音を外すことは多いです。
なので、セッションで音を外すことは当たり前と思ってください。
そのため、音を外したからといって、他メンバーを責めたり、怒ったりするのはやめましょう。
言われた側は萎縮してしまい、次から音を外してはいけないということが頭を埋め尽くし、楽しめなくなってしまいます。
人間は学習する生き物です。
どういう時に音を外すのか、やっていく内に体で覚えてくるものです。
他人に言われなくてもちゃんと学習するので余計なお節介です。
音を外しても温かく見守りましょう。
冷静にスタジオで遊ぶ感覚で楽しもう
ここまでいくつかセッションのやり方を記載してきましたが、全て「みんなで楽しむ」を目標とした行為になります。
ルールがない、進行がグダグダ、独りよがりになる。
上記は全て「みんなで楽しむ」から程遠い存在です。
「みんなで楽しむ」を考えたら、より良いセッションになること間違いなしです。
最初は難しいところもあると思います。
しかし、回数を重ねるごとにセッションをどんどん楽しめるようになります。
ぜひ「みんなで楽しむ」を目指して取り組んでみてください。
まとめ
セッションをやったことがない方向けにやり方やルールなどを記載してきました。
セッションのやり方!要点
- 大枠、流れのルールを決める
- 進行役を決める
- 始まりと終わり方を決める
- ソロの長さを把握する
- 最初のうちはやってはいけないことを頭の隅に入れておく
上記ポイントを念頭にセッションにのぞめば、最初の一歩として安心して踏み出せるかと思います。
ぜひセッションの世界に飛び込んで一緒に楽しんでいきましょう!
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