どうもリョウスケです。
ロック・ポップスをカバーしているとたまーに出てくるエフェクター、ワウ。
今回はVOXから出している上位モデルのワウ「V846-HW」について、レビューします。
ワウペダルの定番商品JIM DUNLOPの「GCB-95 CRYBABY WAH WAH」との比較も行っていますので、ぜひ購入検討の材料にしていただければと思います。
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ワウエフェクターとは何か
まずはワウエフェクターとは何か、簡単に解説します。
ワウ(Wah)は、古くからあるギターエフェクターのひとつで、ワウという名前はその効果が発する”ワウワウ”という音からきています。
ワウペダルは一般的に、ギタリストが足で操作するペダルで制御します。
ワウペダルを操作すると、ギターサウンドが特定の周波数範囲を強調または減衰させるフィルターがかかります。
そのため、足を使って、ペダルを上下に動かすことで、ギターサウンドが低音から高音まで滑らかに変化するわけです。
開発されたとされる1960年代中期~現代まで様々なジャンルで使用されており、ギタリストにとって一般的なエフェクターとなりました。
有名なメーカーとしては、「VOX」「JIM DUMLOP」「Ibanez」「MORLEY」などからワウ製品が発売されています。
▽VOXのワウラインナップ
製品紹介
今回、紹介するVOXのV846-HWは、外観については、往年のVOXペダルをそのまま継承したようなヴィンテージ感あふれるデザインとなっています。
そして、コレクション心をくすぐるかのように、クリアになった裏蓋も別で付属しており、内部構造をディスプレイできるようになっています。
使っても、飾っても楽しい製品となっています。
仕様は下記の通りになります。
電源 | 9V電池のみ |
電池寿命 | 100時間以上 |
回路 | トゥルーバイパス |
幅 | 102 mm |
奥行 | 253 mm |
高さ | 80 mm |
重量 | 1.3 kg |
付属品 | ソフトケース クリア裏蓋(ディスプレイ用) |
特筆すべき点として、電池のみの電源供給仕様でしょうか。
この時代にACアダプター非対応は、相当電池でのサウンドに自信がある又はヴィンテージ感を醸し出す潔さがうかがえます。
しかしながら、プレイヤー目線も考えられたトゥルーバイパス仕様なので、ターゲットはコレクターだけではないようです。
内部回路には、プリント基板を使用せず、手作業で回路を構築しているようです。
裏蓋を空けると確かに綺麗にはんだ付けがされているのが確認できます。
内部のパーツ群にもこだわっているようで、純国産のカーボン・コンポジット抵抗や、耐久性に優れたカーリング製のフット・スイッチ、スイッチ・クラフト製ジャックと高級仕様のポリエステル・フィルム・コンデンサーなどのパーツを使用しているようです。
こりゃ飾りたくもなりますね笑。
機能と操作性
クラシカルなデザインからわかる通り、ツマミやon/off以外のスイッチはありません。
スイッチをonにして、足で踏み込み量を加減するのみの潔い機能になります。
(電源がonかを識別するLEDさえ完備されていません!…なんとシンプルな!)
音の可変は一般的なワウエフェクターと同じく、ペダルの下部を踏むと低周波が、上部を踏むと高周波が強調されます。
操作性で一つだけ気になる点は、スイッチの踏み込みが少し固いところでしょうか。
これはスイッチ自体が固いわけではなく、スイッチ周辺のゴムパーツが厚い(または固い)ようです。
このパーツはエフェクトをかけている間、ペダル上部を踏み込みすぎて誤ってスイッチを押してしまわないようにするものです。
ですので、on操作時は安心してエフェクトをかけ続けられる利点でもあります。
この部分については好みでしょうか。
プレイに影響が出るのであれば、片方のゴムパーツを外すなどの対策はできますので、そこまで気にする必要はないでしょう。
実際に使用してみて
ここからは実際に使用してみた感想です。
エフェクトは控えめで上品
エグさはなく、可変域も広くないため、上品なワウサウンドを堪能できます。
ガッツリエフェクトをかけて目立たせるよりは、土台となるギターサウンドにワウサウンドをちょい足し的な扱いがいいと思いました。
特に歌モノのバッキングなどに使用すると、歌の邪魔をせず、程よくワウのサウンドを聴かせられると思います。
一番向いているのはクリーンやクランチでのカッティングフレーズでしょうか。
もちろんギターソロの場面でも使用できますが、ハードロックやメタルなどでよく使用されているような「ギュワーン」といった使い方には少し弱いかなーと思いました。
それでも程よい味付けなので、どんなジャンルでも使えるサウンドだと思います。
軽量で扱いやすい
重量について感想を述べている記事はあまり見かけなかったので書かせてください笑。
今まで私が使用していたワウペダルが重かったのか、本製品の1.3kgはすごく軽く感じます。
エフェクターボードにコンパクトペダルを組み込むと、どうしても総重量が重くなってしまい、運搬に気を使ってしまいます。
なので少しでもボード全体を軽くしたい方はおすすめだと思います。
最近はハーフサイズのワウもありますが、操作性や安定性を重視するのであれば、こちらのVOXワウの方がニーズには適していると思います。
堅牢性を維持しつつの軽さは、まさに正義ですね!(?)
残念な点
残念な点とまではいかないですが、電池のみの駆動というのが少し気になります。
普段の練習では別に問題ありませんが、ライブで使用するとなるとアダプターも欲しい気はします。
交換忘れや、電池残量による音の変化も少し心配ですかね。
ファズなら電池残量で音の変化が出てそれはそれで面白いのですが、ワウは普通に動いて欲しいです笑。
それでもワウは簡素な構造なので、あまり電流消費量は多くなく、ライブ前に電池を交換すれば問題ないんですけどね。
まあ電池駆動は配線がなくスマートなのでこれはこれでアリですね。
CRY BABYとの比較
私が所有している定番ワウ製品(JIM DUNLOP「CRY BABY GCB-95」)と比較してみました。
下の動画は引き比べた時のものです。
明確にサウンドの違いが確認できますね。
あくまでも比較ですが、下記表にいくつかポイントをまとめましたので参考にどうぞ。
V846-HW | CRY BABY GCB-95 | |
エフェクトの効き具合 | 弱い | 強い |
音の可変域 | 狭い | 広い |
ボディの堅牢性 | 〇 | 〇 |
重量 | 1.3 kg | 1.7 kg |
エフェクトの効き具合と音の可変域
やはりCRY BABY GCB-95の方がエグさがあり、音のキャラが強い感じがあります。
「ワウエフェクトかけてますよ~」と言わんばかりの主張です。
対してV846-HWは可変域が狭い分、マックスまで踏み込んだ時の高音がそこまできつくないため、柔らかい印象を受けました。
ここら辺は好みと楽曲によって使い分けてもいいかなと思いました。
ボディの堅牢性
ちなみにさすが2大メーカーだけあって堅牢性はどちらも申し分ないです(壊れにくそう)。
重量
明確に良いと言える項目です。
差が0.4 kgあります。
「0.4 kg軽くなったからってそんなに変わるか?」と思ったそこのきみ!
…持ち比べるとだいぶ違います!
約500mlのペットボトル一本分違うわけですから、単体で持ってみても、ボードに組み込んでみても差がわかりました。
BOSSのペダル一つ分の重さの違いなので、いかに軽くなったことで取り回しがしやすくなったことか。
軽いだけで持ち運ぶ率が上がるなら、それだけでメリットになりますね!
総括と評価
総評として、ワウ好きとしてはこれは “買い” だと思います。
ヴィンテージ感あふれる見た目に、上品な扱いやすいサウンド、基盤を使わない内部の配線など、物欲をくすぐられる要素が満載です!
バンドで使用しても良し、個人練習としても良し、じっくり眺めるも良し、と買って後悔はしません。
ぜひお手に取って所有欲を満たしちゃってください!
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