

クリップチューナーを買ってみたけど、正しい使い方ってどんな方法だろう?

クリップチューナーと言えども正しいチューニング方法はあるよ!
クリップチューナーは手軽にチューニングできます。
しかし、簡単だからこそ適当にチューニングしがち。
完璧なチューニングは完璧な演奏以上に重要です。
本記事ではクリップチューナーの正しい使い方について解説していきます。
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クリップチューナーとは?

クリップチューナーは、ギターやベースのヘッド部分に挟んで使うチューナーです。
本体のクリップ部分に小さなピエゾ素子(振動センサー)が内蔵されており、弦を鳴らしたときの振動をダイレクトに拾います。
内蔵マイクロチップがその周波数を解析して音名を表示する仕組みです。
マイク式のチューナーと違って空気中の音を拾うわけではないため、周囲がどんなに騒がしくても正確にチューニングしやすいのが特徴。
| 比較 項目 |
クリップ チューナー |
ペダル チューナー |
スマホアプリ |
|---|---|---|---|
| 検知 方法 |
ギターの 振動 |
ケーブルの 信号 |
スマホマイク |
| 精度 | ◎ | ◎ | △ |
| 周囲音の影響 | ◎ (影響なし) |
◎ (影響なし) |
✕ (受けやすい) |
| 携帯性 | ◎ | △ | ◎ |
| 使用 シーン |
自宅・リハ・ライブ前 | リハ・ライブ中 | 自宅・簡易確認 |
| 特徴 | 手軽で初心者にも最適 | 演奏中でも使いやすい | 無料で使えるが正確性は劣る |
サイズも非常に小さく、重さも数十グラム程度なので持ち運びの負担がなく、ギターケースに入れっぱなしで使うこともしばしば。

それゆえに無くしちゃうこともあるね笑
ライブ前やスタジオ練習の短いセッティング時間でも、サッと取り付けてすぐにチューニングできる実用性の高さが魅力です。
実際の使い方ステップ解説
基本は
- ヘッドにチューナーを取り付ける
- チューナーの電源を入れる
- 弦を鳴らす
- メーターを真ん中に合わせる
です!

ヘッドにクリップを取り付ける

まずはヘッドにクリップチューナーを取り付けます。
ここで重要なのは取り付け方と位置です。
設置面はしっかりと
クリップチューナーは楽器の振動を拾って音階を解析しています。
そのため、より効率よく振動を拾う必要があります。
下の写真の通り、クリップチューナーの設置面が少ない場合、振動を拾いきれず、メーターが反応しない場合があります。

正しく振動を拾うためには、下のように設置面全体でクリップを挟みこみます。

振動を拾うことを意識することで、劇的にメーターの反応が良くなるのでおすすめです。
位置はヘッドの空いたスペース

多くのクリップチューナーはヘッドにつける想定で製品化されています。
では、ヘッドの位置でもチューニング精度は異なるのではないか?との声もありそうですが
実はそこまで気にしなくてOK👌
弦の振動は、ブリッジ → ネック全体 → ヘッド に伝わっていきます。
ちなみにヘッド全体が共鳴するためどこに着けても差はありません。
チューナーメーターの視認しやすい位置に取り付けましょう。
電源を入れる

電源を入れて、チューニングができる状態にします。
電源の入れ方については各社やり方が異なりますが、大抵はディスプレイ付近のボタンを押せば電源がオンになると思います。
KORGのクリップチューナーはディスプレイの裏にボタンがあります。
弦を1本ずつ鳴らす
ここから実際にチューニングをしていきます。
チューニングしたい弦の開放弦をピッキングします。

ここでの注意点は下記の通りです。
他の弦を鳴らさないこと
他の弦を鳴らしてしまうと和音となり、チューニングメーターが誤った音名を表示してしまうことがあります。
ネックやボディを抑えない
もちろんネックやボディも共鳴します。
そのため、手で握り込んだり、体に密着させてしまうと、楽器全体の振動を抑えてしまうことになります。
チューナーは振動を拾うので、ネックやボディを抑えないようにしましょう。
針表示が真ん中に来るまで調整

最後にメーターが真ん中に来るまで調整します。
一気にペグを回してしまうと行き過ぎることがありますので、ゆっくり回していくのがポイントです。
ペグを回しすぎて戻すと、弦やナットによる摩擦によって遊びができてしまうことがあります。
演奏中にすぐにピッチが下がってしまった、なんてことがありえます。
なので、ペグの巻き過ぎには注意です。
▽チューニングはペグ回しがあると便利
チューニング時のよくある失敗
音が狂う原因は“下げ止め”の可能性

チューニングでよくある失敗が「ペグを緩めて下げたところで止めてしまう」ことです。
この方法だと、弦がナットやペグポストでしっかり固定されず“遊び”が残ってしまい、弾き始めてすぐに音程が下がってしまいます。
せっかく合わせたのに演奏中にどんどん狂っていく原因はここにあります。
正しいやり方は、一度狙った音より少し低めに下げてから、必ず上げる方向(低音 → 高音)で目標ピッチに合わせること。
最後に弦を張りながら止めることでテンションが安定し、演奏中もチューニングが長持ちします。
ほんの小さな違いですが、音の安定感に大きく影響する重要なポイントです。
チューニングを全弦一回でやめてる

チューニングを1回で終わらせると正確に合わないことがあります。
特に注意したいのがフローティング構造のトレモロユニットです。
これはブリッジがボディから浮いた状態でスプリングと弦の張力が釣り合うことで安定する仕組みになっています。

ストラトやフロイドローズ式のギターのことだな
そのため、1本の弦を合わせると釣り合いが崩れ、ブリッジ全体がわずかに動いて他の弦の音程が変わってしまいます。
6弦を完璧に合わせたつもりでも、1弦を調整する頃にはまた6弦がズレる、というのはまさにこの構造が原因です。
すべての弦を一度合わせ終えたら、もう一度最初から順番に確認していくこと。
面倒に思えても、この「二周目のチューニング」で全体が安定し、演奏中の狂いも最小限に抑えられます。
ライブや録音前は必須の習慣です。
弦が伸びきらずに終わらせてしまう
新品の弦を張った直後にギターを弾き始めてすぐチューニングが合わなかなることがあります。
その原因のひとつが、弦がまだ伸びきっていない状態でチューニング作業を終えてしまっていることです。
新品の弦はテンションが安定しておらず、弾いているうちに金属が少しずつ伸びるため、チューニングがすぐ狂ってしまいます。

金属と言えども伸び縮みするからな
張り替えた直後に弦を軽く引っ張って馴染ませたり、何度か「チューニング → 弾く → 再調整」を繰り返すことで対処できます。
慣れないうちは面倒に感じるかもしれませんが、この一手間でチューニングの精度と安定感が大きく変わります。
▽サビにくいので張り替え頻度が減って楽な弦です
ペグを回しすぎて弦を切ってしまう

これ自分も経験あります。
ペグを勢いよく回しすぎてメーターが超えて弦がぷつんと…

大雑把だな

めんどくさいが発動してしまって
ギター弦はある程度のテンションがかかってしまうと当然ながら切れてしまいます。
最初は早く巻いても良いかもしれませんが、程よくテンションがかかり始めたら、チューナーを確認しながら、ゆっくり手で調整しましょう。
意外と弦も繊細なんです。。
シチュエーション別の使い分け
自宅練習

自宅での練習なら、クリップチューナーはギターのヘッドに付けっぱなしでOK。
付けっぱなしにしておけば、弾き始め前にサッと確認できるので、チューニングをする癖が付きやすいです。
毎回ケースに片付ける必要もなく、気付いたときにすぐ合わせられるのがメリットです。
また、自宅だと比較的静かな環境でチューニングできると思うので、メーターばかり気にせず自分の耳でもチューニング時の音を聴く意識をしましょう。
耳トレの練習にもなります👌
普段のスタジオ練習

バンド練習のように周りが大音量の環境では、クリップチューナーが最適!
マイク式チューナーのように外音を拾わず、ギターの振動から正確に音程を検出できるのがメリットです。
ただし他の楽器の音で弦が共振し、表示がブレることもあるので、しっかり不要弦をミュートすることがポイントです。
ライブ

ライブのステージは思った以上に暗い&照明が眩しいので、メーター表示の角度に気をつけて、見やすい位置に取り付けましょう。
高輝度モードが付いてるなら絶対そっちに切り替えておくと安心です。
これは個人的な話ですが…
ヘッドに付けっぱなしだとどうしても見た目がダサく感じます…。
ライブはカッコよくてパフォーマンスするイベントなので、見栄えに気をつけたいところ。
自分はライブでは基本的にペダル型チューナーを使いますが、もしクリップチューナーを使う場合は曲間にさっと外してポケットにしまうようにしています。
▽ライブで使いやすいペダル型チューナー
レコーディング・デモ作成

録音するときは普段の練習以上にシビアにチューニングを確認すると安心です。
わずかな狂いでも後から聴き返すと意外と気になることがあります。

特にアーミングを使ったプレイを録る場合は狂いまくるからな
レコーディング前には必ずチューナーでチェックし、いつもより敏感に合わせる意識を持つのが◎
チューナーさえも疑う気持ちでいた方が良いかもしれません。
▽精度の高いチューナー
クリップ式以外のおすすめチューナー
電池駆動OKのライブ向け
BOSS / TU-3

信頼と実績の定番フロアチューナー
クリップチューナーは手軽ですが、暗いステージや大音量の現場では見にくかったり、精度に不安を感じることもあります。
そんな場面を補ってくれるのがBOSS TU-3。
21個のLEDによる滑らかな表示は暗いライブハウスでも視認性抜群で、高輝度モードを使えば屋外でも安心。
ACアダプターに加えて電池駆動も可能なので、電源環境に左右されず使えるのも大きな魅力です。
さらにフラット・チューニングやベース対応、音痩せを防ぐバッファー機能など、ライブの実戦で頼れる工夫が満載。
ステージでの安心感を求めるなら心強い一台です。
DADDARIO / Chromatic Pedal Tuner PW-CT-20

視認性とシンプルさで勝負
縦型のフルカラーディスプレイは大きく傾斜がついており、立ったままでも直感的に読み取れる視認性の高さが魅力。
反応も速く、弾く前から拾っているのではと感じるほどスムーズです。
電池駆動にも対応しているので、電源が取りづらいリハスタや小規模ライブでも安心。
シンプルながらミュート機能も備えていて、演奏中のチューニングをスマートにこなせる一台です。
コスパ抜群!お手ごろ!
Ibanez / BIGMINI

手頃な価格でライブに強いペダルチューナー
他のペダルチューナーよりもリーズナブルながら、実戦でしっかり頼れる性能を備えた1台です。
暗いステージでも視認性の高いLEDディスプレイを搭載し、スイッチONで無音にできるため曲間のチューニングもスムーズ。
反応が速くベースにも対応するので、ライブやリハで「素早く確実にチューニングしたい」ときに心強い存在です。
サブ用としてもメイン用としてもコスパの良さが光ります。
BEHRINGER / TU300 Chromatic Tuner

圧倒的コスパで手に入るペダルチューナー
ペダル式チューナーの中でも驚くほど手頃な価格で手に入るモデルです。
7種類のチューニングモードを備え、レギュラーから半音下げ、一音下げまで幅広く対応。
暗い場所でも視認性が高いLED表示を採用しているので、スタジオやライブでも安心して使えます。
もちろん電池駆動も可能で、シンプルながら実用性は十分。
反応速度や耐久性では高価格帯モデルに譲る部分もありますが、「とにかくコスパ良くペダルチューナーを導入したい」という人には魅力的な選択肢です。
省スペースOK!エフェクターボード向け
BOSS / TU-3S

信頼性そのまま、省スペースで組み込みやすい
BOSSの定番チューナーTU-3の性能をそのままに、フットスイッチを省いて小型化したのがTU-3Sです。
常時オンで使える仕様は、演奏中でもすぐにピッチを確認できる安心感があります。
エフェクターボード内での省スペース性に優れており、「あと1台組み込みたい」というときにも活躍。
視認性の高いLEDメーターや高輝度モードにより、暗いライブハウスから屋外のステージまで快適にチューニングできます。
精度と信頼性を重視しつつ、ボードをコンパクトに収めたいプレイヤーにおすすめのモデルです。
KORG / Pitchblack XS PB-XS

高精度&省スペースでボードに収まる
コンパクトながら±0.1セントの超高精度を誇るペダルチューナーです。
全面スイッチとディスプレイを一体化しており、踏みやすさと視認性を両立。
ULTRA BUFFER搭載で音質をシャープに保ちつつ、トゥルーバイパス切替も可能なので、機材との相性を気にせず使用できます。
小型設計のためエフェクターボードの省スペース化にも貢献し、ステージ上でも素早く正確にチューニング可能です。
精度・使いやすさ・省スペースを兼ね備えた、クリップチューナーではカバーしきれない部分を補う1台です。
精度が高い!レコーディング向け
TC ELECTRONIC / Polytune 3

超高精度で迷わない!確実なチューニング
±0.02セントの超高精度ストロボモードを備え、細かいチューニングも完璧に決められるペダルチューナーです。
ポリフォニック機能で6弦まとめて確認でき、1本ずつ合わせる手間も不要。
Bonafide Buffer内蔵で音質を守りながらトゥルーバイパスとも切り替え可能なので、どんなギターやベースでも精度を損なわずに調整できます。
109個の高輝度LEDで暗いステージでも見やすく、単音・和音を自動判別して最適なチューニング方式を選ぶので、操作も簡単。
クリップチューナーでは届かない精密さを求める人に最適な1台です。
KORG / Pitchblack X PB-X

±0.1セントの精度で瞬時にチューニング!
±0.1セントの超高精度ストロボ表示で、クリップチューナーでは難しい微調整も迷わず決められるペダルチューナーです。
視認性の高いLED表示で暗いステージでも確認しやすく、レスポンスも速いので即チューニングが可能。
ULTRA BUFFER搭載で複数エフェクター接続時でも音質を損なわず、トゥルーバイパス切替にも対応しています。
クリップチューナーでは届きにくい精密さと安定感を求めるプレイヤーにぴったりです。
ドロップチューニングや微妙なオクターブ調整もストレスなく行えます。
VOX / VXT-1

±0.02セントの精度でオフセットチューニングも自在!
クリップチューナーでは難しい精密なチューニングを可能にするペダル型チューナーです。
ストロボモードでは±0.02セントという極めて高い精度で、ギターやベースの微細なピッチも瞬時に合わせられます。
大画面で視認性が高く、複数のディスプレイパターンから好みの表示を選べるため、ステージ上でも直感的にチューニング可能です。
また、オフセットチューニングモードを搭載し、BFTS対応ギターやオープンチューニングにも柔軟に対応。
DCアウトで他ペダルに電源供給もでき、クリップチューナーでは補いきれない精度と安定感を求めるプレイヤーにおすすめです。
まとめ
クリップチューナーは正しい手順で使うことで、初心者でも安定したチューニングができます。
一度全弦を合わせた後も、もう一周確認することで精度がぐっと上がります。
特にフローティングブリッジ搭載ギターでは他の弦とのバランスで狂いやすいため、必ず全体を見直しましょう。
小さなコツを押さえるだけで、クリップチューナーはより頼れる相棒になります。


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