

歪みでオーバードライブとディストーションの違いがいまいちわからないんだ…

その二つはどちらも歪みペダルに属するね
よく、この曲はオーバードライブペダルを使う、この曲はディストーションペダルを使うなんて言われます。
はたして両者の違いはなんなのか、あらためて整理していこうと思います。
読みたい項目をクリック
オーバードライブは自然な歪み、ディストーションはガッツリ歪み

ギターを弾き始めるとよく出てくる「オーバードライブ」と「ディストーション」。
名前は似ているけど、実はキャラクターがまったく違います。
オーバードライブはアンプをちょっと押して自然に歪ませるようなサウンドで、ブルースやポップロックにぴったり。
対してディストーションは音を大きく変化させてガツンと歪ませるサウンドで、ハードロックやメタルなどに使われます。
| エフェクター | オーバードライブ | ディストーション | 
|---|---|---|
| 歪み量 | 弱〜中程度(自然な歪み) | 強め(ガッツリ歪む) | 
| 特徴 | ・アンプのフルアップを再現 ・コード感が残りやすい ・演奏の強弱で歪みが変化 | ・粒が細かく、音が伸びる ・音が分厚くパワフル ・強弱による変化は少なめ | 
| 向いているジャンル | ブルース、クラシックロック、ポップス、ファンク | ハードロック、メタル、パンク、オルタナ | 
| 適した用途 | ・クリーンを太くする ・コード感を残す ・アンプをプッシュで存在感up | ・リードギターで迫力を出す ・重たいリフやパワーコード ・バンド全体を厚く聴かせる | 
つまり簡単に言えば、軽く歪むか、ガッツリ歪むかが一番の違いです。
オーバードライブの音を確認
ど定番のBOSS OD-3の音を確認してみましょう!
これはザ・オーバードライブの音がします。
音を聴けばわかると思いますが、暖かくザラっとした音がオーバードライブの特徴です。
ディストーションの音を確認
こちらもど定番のBOSS DS-1の音を確認してみましょう!
こちらも音を聴けばわかる通りちょっとハードでザクザクとした音になります。
音の質が異なるため違って聞こえる

では、なぜオーバードライブとディストーションはそんなに違って聞こえるのでしょうか?
ポイントは「歪ませ方」にあります。
オーバードライブはアンプの音量をちょっと押して、自然にサチるような“軽い押し込み”の歪み。
例えるなら、車を少しアクセル強めに踏んでスピードを出す感じです。
対してディストーションはペダルの中で音を大きく加工し、バリッと激しく歪ませます。
まるで車にターボを載せて一気に加速させるようなイメージ。
だからオーバードライブは温かみやナチュラルさが残り、ディストーションはパワフルで攻撃的な音になるわけです。
それぞれの使用楽曲
オーバードライブの使用例
実際にどのような違いがあるか、プロの音源で確認してみます。
まずはオーバードライブの使用例から。
ギターのエリック・クラプトンが所属していたcreamの超有名なロック曲です。
この乾いてザラっとしたニュアンスのギターの音はまさにオーバードライブ。
当時、オーバードライブペダルは存在していなかったので、アンプをフルアップさせてオーバードライブを作り出していた時期です。
(歪みペダルの仲間のファズはすでに存在していますが今回は割愛)
少し歪みを足してカッティングでグルーブを出すのも乙なもの。
suchmosもオーバードライブを駆使して、乾いたストラトの音で音像を作っています。
このようにロック以外にも、ファンクやR&Bチックなサウンドとも相性が良いですね。
ディストーションの使用例
次にディストーションの使用例。
最初からガツンと!
slipknotはジャンル分けしにくいけど、とりあえずほぼ全編ディストーションが使われています。
ダウンチューニングですが、ブリッチミュートがザクザクしていて、聴いていて気持ち良いですね🤘
J-popでもディストーションは使われています。
Every Little Thingの伊藤一朗こといっくんは、結構攻めたギターサウンドを作り上げています。
音源ではギターの音量は控えめですが、終始サウンドはディストーションそのもの。
メタルやハードロック以外でもこのように楽曲に馴染ませることができます。
用途の違いを整理

オーバードライブとディストーションは、実際の使いどころでもハッキリ役割が分かれます。
オーバードライブはコードを弾いたときに音が潰れにくく、ギター本来の響きを残しながら演奏できます。
そのため、ブルースやポップロックなど“バンドに溶け込む音”を作るのに最適です。
一方ディストーションは、ソロやリフで存在感を出したいときに力を発揮します。
音が分厚くなるため、ハードロックやメタルのような激しいジャンルで欠かせません。
つまり「曲を支えるならオーバードライブ」「前に出て主張するならディストーション」というのが大まかな使い分けのポイントです。
歪み量の「大は小を兼ねる」に注意!

個人的な話ですが、エレキギターを触って1年未満の頃、オーバードライブが欲しいなと思った時がありました。
ただし、お金もなかったので、どうせなら歪み量の多いディストーションにしてしまえと。

何も考えずにディストーションを買ったわけだな

その通り☝️
歪みは十分足りてましたが、歪みを絞った時の音のキャラクターは好みのものではありませんでした。
案の定、期待したオーバードライブの音は作れず…。
結局、戸棚の中にしまわれてしまいましたとさ。

結局無駄金じゃねーか
その時から、歪みペダルに関しては「大は小を兼ねる」という言葉は使えないなと思いました。
歪みは、歪み量だけではなく、歪みのキャラクターも大事です。
なので基本的にオーバードライブとディストーションはそれぞれ異なるペダルと思っておいた方が良さそうです。
まとめ
ここまでを振り返ると、オーバードライブとディストーションの違いは次のように整理できます。
- アンプを押して自然に歪ませる
- コード弾きやバッキング向き
- 曲全体に馴染む、温かみのある音
- ペダル内部でガッツリ歪ませる
- リフやソロで主張したい場面に最適
- 厚みがあり、攻撃的で力強い音
つまり「軽く支えるか」「ガツンと前に出るか」が最大の違いです。
歪みペダルは“歪み量”よりも“キャラクター”が重要。
最初の1台を選ぶときは、自分が弾きたいジャンルや理想の音を思い浮かべて決めるのが失敗しないコツです。

 
  
  
  
  

コメント