

スタジオのアンプで録音したいけど、演奏の録り直しだけで時間がなくなっちゃうんだよね…。

それならリアンプボックスを使ってみたら?自宅で録音した演奏を、後から実機アンプで鳴らせるよ!
自宅でライン録音したギターの演奏を、後から実機アンプやエフェクターを通して録り直したい。
そんなときに活躍するのがリアンプボックスです。
あらかじめ演奏だけ録音しておけば、スタジオではアンプの音作りやマイキングに集中できるため、限られた録音時間を有効活用できます。
今回は、サウンドハウスで取り扱われているリアンプボックスの中から、機能や価格帯の異なるおすすめ9機種を紹介します。
リアンプボックスとは?

リアンプボックスとは、オーディオインターフェースなどから出力されるラインレベルの信号を、ギターアンプやエフェクターに適した信号へ変換する機器です。
一般的にギターやベースのピックアップから出力される信号と、DAWから出力されるライン信号では、信号レベルやインピーダンスが異なります。
そのため、オーディオインターフェースのライン出力をそのままアンプに接続すると、本来の音色や反応を再現できない場合があります。
リアンプボックスを使用すれば、録音済みの演奏を適切なレベルで実機に送り、アンプやエフェクターを通したサウンドを再録音できます。
おすすめリアンプボックス9選
ART / Dual RDB

低価格ながら2チャンネル対応!複数アンプの録音にも便利
2系統の独立した入出力を備えた、パッシブタイプのリアンプボックスです。
2台のアンプに同じ演奏を送ったり、ステレオ音源を別々の機材で処理したりできるのが大きな特徴です。
各チャンネルにレベル調整機能を備えるほか、CH2には入力切り替えと極性反転スイッチも搭載しています。
トランス絶縁によるノイズ対策にも対応しています。
一方、サウンドハウスや海外の購入者からは、出力レベルが小さいという報告もあります。
パッシブ回路の信号減衰があるため、接続するオーディオインターフェースの出力レベルには注意が必要です。
費用を抑えつつ、2系統のリアンプ環境を構築したい方に向いています。
SAMSON / ReTrack

ヘッドホン出力も使える!小型インターフェースとの相性が魅力
コンパクトな金属製ボディに、必要な機能をまとめたパッシブ型リアンプボックスです。
最大の特徴は、通常のライン出力だけでなく、ステレオヘッドホン出力からの入力にも対応していることです。
出力端子の少ないオーディオインターフェースでも、モニタースピーカーの配線を変更せずにリアンプしやすい設計です。
さらに、入力側と出力側にグランドリフト機能を備え、グランドループによるハムノイズにも対処できます。
出力レベルは本体のノブで調整でき、不要なときに音を止めるミュート機能も搭載しています。
自宅の小規模な録音環境で、手軽にリアンプを導入したい方におすすめです。
Walrus Audio / Canvas Passive Re-Amp

低ノイズ性能を数値で公開!操作性にも優れた本格派
電源不要のパッシブ設計ながら、充実した調整機能を備えたリアンプボックスです。
独自のSapphireトランスを採用し、周波数特性20Hz~20kHz、SNR(信号対雑音比)114dBという性能値を公表しています。
グランドリフト、極性反転、ミュート、ハイパスフィルターも搭載しています。
接続環境や音作りに合わせて細かく調整できる点が魅力です。
海外の専門メディアでも、操作の簡単さや再録音時の音質が評価されています。
数値が公表されていることも、音質を重視するユーザーには判断材料になるでしょう。
信号品質と使いやすさを両立したい方に適した一台です。
RADIAL / ProRMP

シンプルで堅実!リアンプ専用の定番モデル
カナダの音響機器メーカーRADIALが手掛ける、パッシブ型のリアンプボックスです。
独自のアイソレーショントランスを搭載し、グランドループに起因するハムノイズやバズノイズを抑制できるのが特徴です。
出力レベル調整とグランドリフトを備え、基本的なリアンプ作業をシンプルに行えます。
上位機種のReamp JCRと比較すると、トランスの仕様やシールド性能、調整機能などに違いがあります。
購入者からは音質に満足する声がある一方、出力が小さいという報告もあり、接続機器とのレベル調整には注意が必要です。
多機能さよりも、基本性能と堅牢性を重視したい方におすすめです。
RADIAL / X-Amp

2台のアンプへ同時出力!アクティブ回路で安定した信号を供給
RADIALのリアンプボックスの中でも、アクティブ回路を採用したモデルです。
2系統のアンプ出力を搭載し、同じ演奏を2台のアンプへ同時に送り出せるのが最大の特徴です。
ディスクリートのクラスA回路を採用し、複数のアンプに信号を送る用途を想定して設計されています。
グランドリフトや極性反転にも対応しており、複数アンプ使用時のノイズ対策や信号調整にも便利です。
購入者からは、気になるノイズや音質劣化を感じなかったという声もあります。
ただし、電源アダプターが必要な点はパッシブモデルとの違いです。
複数アンプの同時録音や、信号レベルの安定性を重視する方に向いています。
RADIAL / Reamp JCR

細かな音質調整が可能!伝統的なリアンプ回路を採用した上位モデル
リアンプ技術の開発者John Cunibertiが設計したオリジナル回路を受け継ぐ、パッシブ型のリアンプボックスです。
ProRMPとの大きな違いは、カスタムトランスに加えて、ハイカット・ローカット・ミュートなどの機能を搭載していることです。
音が明るすぎる場合や低音が膨らみすぎる場合にも、本体側で音質を調整できます。
スチール筐体やトランスのシールド性能にも配慮され、グランドリフトによるハムノイズ対策にも対応しています。
メーカーによると、X-Ampと比べたサウンドの違いは比較的小さく、選択は機能と好みによる部分も大きいようです。
音質や作業性を細かく追求したいレコーディングユーザーにおすすめです。
Franklin Audio / RA-10

インピーダンスを調整して、ギター本来の反応に近づける
オーストラリアのFranklin Audioが開発した、コンパクトなパッシブ型リアンプボックスです。
最大の特徴は、600Ω~50kΩの範囲で出力インピーダンスを調整できる「Zコントロール」です。
一般的なリアンプボックスでは固定されているインピーダンスを変更し、アンプやエフェクターの反応を細かく調整できます。
メーカーによると、Zを低くすると明るく、高くすると暗めの音色になる傾向があります。
独自設計のFA-01トランスを採用し、グランドリフトや極性反転機能も搭載しています。
ギターとアンプの相互作用を再現したい方や、実機エフェクターの音色を追い込みたい方におすすめです。
Franklin Audio / RA-100

リアンプから再録音まで一台で完結!ペダル活用に特化したモデル
リアンプ回路に加えて、DIとしても使えるリターン用プリアンプを統合した、多機能なレコーディング機器です。
通常のリアンプボックスとの最大の違いは、エフェクターから戻ってきた信号をラインレベルに変換する回路まで内蔵していることです。
オーディオインターフェースとの組み合わせで、録音済み音源を実機エフェクターで加工して再録音できます。
さらに、RA-10と同様のインピーダンス調整機能を備え、アナログペダルの反応も調整可能です。
リアンプ側はパッシブ動作ですが、リターン用プリアンプの使用には24V電源が必要です。
複数のエフェクターを使った宅録や、DAWと実機を頻繁に行き来する制作スタイルに適しています。
WARM AUDIO / WA-RA Reamper

真空管アンプのサイレント録音まで対応する多機能モデル
リアンプ、プリアンプ、信号のルーティング機能を統合した、スタジオ向けの多機能デバイスです。
最大の特徴は、最大50W・8Ωの真空管アンプに対応したパワーソーク機能を内蔵していることです。
指定された条件を満たすアンプなら、スピーカーを鳴らさずにアンプの出力信号を録音できます。
さらに、CineMag製カスタムトランス、可変インピーダンス、JFETとオペアンプの切り替えなど、音質調整の自由度も充実しています。
独立した信号経路やグランドリフト機能を備え、複雑な録音環境にも対応します。
実機アンプのサイレント録音からエフェクターの再録音まで、幅広く使いたい方におすすめです。
なお、サイレント録音では50W・8Ωの負荷条件を厳守し、必要に応じてDAW側でキャビネットIRを使用してください。
WARM AUDIO / WA-RA Reamper
サウンドハウスで見るおすすめリアンプボックス9機種の比較表
| 製品名 | 回路方式 | 出力系統 |
|---|---|---|
| ART / Dual RDB | パッシブ | 2系統 |
| SAMSON / ReTrack | パッシブ | 1系統 |
| Walrus Audio / Canvas Passive Re-Amp | パッシブ | 1系統 |
| RADIAL / ProRMP | パッシブ | 1系統 |
| RADIAL / X-Amp | アクティブ | 2系統 |
| RADIAL / Reamp JCR | パッシブ | 1系統 |
| Franklin Audio / RA-10 | パッシブ | 1系統 |
| Franklin Audio / RA-100 | パッシブ+アクティブリターン | 1系統 |
| WARM AUDIO / WA-RA Reamper | アクティブ | 複数の信号経路 |
※出力系統は主にリアンプ用途で使用する出力を表しています。
※ART Dual RDBは独立した2チャンネルを搭載し、同一信号の2系統出力にも対応します。一方、RADIAL X-Ampは1つの入力信号を2台のアンプへ同時出力する構造です。
※WA-RAは一般的な2出力リアンプボックスとは異なり、複数の独立した信号経路やルーティング機能を備えています。
リアンプボックスのノイズはどのくらい抑えられる?

リアンプボックスを選ぶうえで、音質と同じくらい重要なのがノイズ対策です。
特にオーディオインターフェースとギターアンプを接続すると、機材間のグランドループによって「ブーン」というハムノイズが発生する場合があります。
多くのリアンプボックスには、アイソレーショントランスやグランドリフトなど、こうしたノイズを軽減するための仕組みが採用されています。
例えばRADIAL ProRMPやReamp JCRは、トランスによる電気的な絶縁を利用してグランドループの影響を抑える設計です。
一方、SAMSON ReTrackは入力側と出力側にグランドリフト機能を備えており、接続環境に合わせて対処できます。
また、Walrus Audio Canvas Passive Re-AmpはSNR114dB、ノイズフロア−116dBuという数値を公開しています。
RADIALもProRMPやReamp JCRなどでノイズ性能に関する数値を公開していますが、メーカーごとに測定条件が異なるため、単純に数値の大小だけで優劣を判断することはできません。
さらに、リアンプボックスのノイズ対策機能は、録音済み音源に含まれるピックアップノイズや、エフェクター自体が発生させるノイズまで取り除くものではありません。
音質劣化やノイズの少なさを重視する場合は、公表されている性能値だけでなく、トランスの構造やグランドリフトの有無、実際の使用者の評価も確認することが重要です。
最後に
リアンプボックスは、一見すると似たような製品が多いものの、回路方式や出力数、インピーダンス調整、ノイズ対策などに違いがあります。
手軽に導入したいならSAMSON ReTrack、基本性能を重視するならRADIAL ProRMPやWalrus Audio Canvas Passive Re-Ampが候補になるかと思います。
複数アンプを使用したいならRADIAL X-Amp、実機エフェクターを活用した宅録にはFranklin Audio RA-100も魅力的。
個人的には、リアンプの一番の魅力は「せっかく上手く弾けた演奏を、もう一度弾き直さなくていいこと」だと思います。
ギターって不思議なもので、何も考えずに弾いたテイクに限って妙に良かったりするんですよね。
そして、いざ録り直そうとすると、さっきまで弾けていたフレーズがなぜか弾けない…。
そんなギタリストあるあるに振り回されず、納得できる演奏を残したまま、好きなだけアンプやエフェクターの音作りに没頭できるのは大きな魅力です。
演奏は自宅でじっくり、音作りは実機でとことん。
そんな贅沢なレコーディング環境を、リアンプボックスで実現してみてはいかがでしょうか。



コメント